(1)持続化給付金の「放置」案件をごまかした経済産業省の発表
経済産業省は11月27日になって突然、「給付要件を満たさない申請に対する持続化給付金の給付について」をホームページ上で発表しました。結論からすると9月1日以降に新事務局として審査・給付に対応してきたデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社の開発したシステムに不具合があり、この間の申請の中に給付要件(事業収入が前年同月比50%以上減少)を満たしていないにもかかわらず、給付していた事例が536件あったというものです。
(2)これまでの組合の要請と中小事業者を守る視点にたたない中小企業庁
私たち東京土建をはじめとする首都圏の建設労働組合、また民主商工会の全国組織である全商連はこの間、国会議員を通じて経済産業省・中小企業庁の持続化給付金担当者との交渉のテーブルをつくってもらい、9月以降の申請が「審査中」となってまま「放置」されている案件や税務署の収受印が5月1日以前の開業届が無ければ支給されない案件などの改善を再三再四にわたって、直接要請し、西多摩支部からも10月13日の首都圏4土建の交渉、さらに11月5日には国会議員会館において、全商連事務局の方々と同様の要請をおこなってきました。
そのなかで、システムの不具合が「長期の審査中=放置」の原因であることやコールセンターに問い合わせても全く改善される気配がないことなどを訴えてきましたが、中小企業庁の担当者はシステムの不具合があったことは認めたものの、そのことによる「審査中」ではないと否定してきました。
一方で東京土建西多摩支部のツイッターには持続化給付金に関する様々な実態が寄せられ、それらも含め、中小企業庁長官あてに「要望書」や「通告書」
の送付などをおこなってきました。
先の「給付要件を満たさない申請に対する持続化給付金の給付について」の発表は、給付しなければならない中小事業者への放置・遅延があったにもかかわらず、委託元である経済産業省・中小企業庁、委託先であるデロイト社の失態を隠すため、システムの不具合で支給要件を満たさない支給をしたと案件をすり替えたことに他なりません。
(3)仲間の仕事とくらしを守るため継続して要請等をつづけます
これまでの安倍政権、それを継承する菅政権の下で官僚の虚偽・誤魔化しは日常であったこと、この間の要請の際に私たちの追及に担当者も口を閉ざしたままだったことからも虚偽・誤魔化しは決定的だと断言できます。
依然として、給付されずに追加資料(本来は必要のない2018年度の確定申告書やその裏付けとなる請求書など)を求められる事例も残っています。コロナの第3波の不安の中で必死に事業を続けていこうと頑張っておられる仲間の仕事とくらしを守るたたかいとして、今後も国への要請等を続けていきます。
2020年12月4日 東京土建一般労働組合西多摩支部